深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

学研、「学習」廃刊か 訪問販売廃止か

学研が小学生むけ月刊誌「学習」の廃刊を検討しているという記事を読んだ。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080510k0000m020052000c.html
NIKKEI NET:学研の「学習」消える?・小学生向け雑誌、廃刊検討
毎日と日経では少しずつ記事の重点が異なり、毎日では訪問販売の撤退の検討を主に。日経では「学習」廃刊、「科学」存続の検討が主に書かれている。


ここのところ経営難や買収されるかも?といったニュースが出ていた学研。
70年代の学研の輝きを知っている者からすると、こういうニュースは寂しかった。少子化というのも確かにそうなんだけれど、学研の商品の輝き自体がだんだんと鈍ってる感も正直あった。経営が苦しいから、制限が強くなって充実した企画を打ち出せず、どんどんと内容も縮小していってしまう、ということもあるのだろう。
夫婦して幼少時「科学」に魅せられてここまで理系畑を進んできた我が家は、子どもが小学生になったら絶対「科学」はとってやろうね、と小さいうちから話していた。今年、晴れて上の娘が小学生になった。早速、「科学」を頼んだ。ついでに「学習」も頼んだ。夫は「学習」はいらない、と言ったけれど、私は、まあついでだから頼んでやればいいじゃない、と言ったのだ。私の場合、「学習」をとっているといつも年に2回、夏と冬に届いた「よみもの特集」が楽しみだったから、ということもある。
このときはじめて、「学習」が月刊から季刊にかわっていたことを知った。
やがて、「1年の科学」「1年の学習」が届いた。「科学」は、ほぼ思ったとおりのものだった。あれ、私たちのころはもっと本が厚かった気がするけど、こんなものだっけ? とも思ったが、まあ、「科学」のメインはあのふろくだしな。ふろくは、似たような他社教材のものより作りもよく、さすが学研だね、と夫婦で話した。
しかし、「学習」のほうは、正直、季刊でこんなものだと、ちょっとねぇ……と思ったのだった。「学習」は読みものがメインだと思っていたが、肝心の本が薄い。まあ、ふろくのほうは、30年前でも、まあこんなもんかしら、程度だったので(と当時の小学生が思っていたのだからまあそんなもんだ)そう期待していなかったが、本のほうがこんなもんだとねぇ……。しかも季刊なのだから、むしろ月刊の頃よりも頑張ってほしいくらいのところなんだけれど、まだ自分の子どものころの月刊の「学習」のほうが充実していたような気がするくらいだ。
まあこれは、まだ本をじっくり読めない1年生の最初むきだから、かもしれない。それでも、この「学習」を見たとき、確かに学研はパワーダウンしているんだ、と思わずにはいられなかった。「学習」にはお金もパワーもかけられない状況なんだろうな、と感じずにはいられなかった。「学習」は売れてないし、今後も売れないだろうな、とそのとき思った。同じ値段で、もっとよい教材が買える時代だ。
でも、買うよ。「科学」はもちろん、今年は「学習」も年間買うのだ。
やっぱり、学研には頑張ってほしい、と思っているのだ。


が、そんな我が家も、訪問販売は利用していない。上記の「科学」「学習」はネットから直接通販を申し込んだ。
確かに、いまどき訪問販売は流行らないよな、と思う。70年代は今のように物流も発達していなかったし、スーパーや本屋も郊外(ニュータウンとか新規開発の住宅地)にはなかった。「学研のおばさん」が毎月もってきてくれる「科学」と「学習」は、本屋にある雑誌についている紙のふろくとは全然違う、大きな箱入りのふろくがついていて、憧れとわくわくがいっぱい詰まっていた。
しかし、それが機能したのは、あの時代だったからこそ、だろうとも思うのだ。子どもをもつ母親は昼間はいつも家にいて。クレジットカードもなく、ATMもそんなご近所にはなく。郵便局まで歩いて行くのも遠く。直接手渡しで商品を受け取り、その場で支払う。そんな形が合っていたし、それなら面倒ないから買おうか、という人もいただろう。
今は、支払いも簡単。クレカでも、ネットバンキングでも、コンビニATMでも、あるいはコンビニのレジでも。昼間はみんな働きに出て家には誰もいない。ゆうパックも含め宅配便が発達して、送料も安くなり。申し込みも、わざわざ郵便や電話を使わなくても、簡単にネットでできるようになった。訪問販売のメリットと需要がなくなってきた。
時代が変わり、訪問販売はなくなってゆくことになるのだろう。少なくとも「科学」「学習」では。


一番嬉しかったのは、「科学」は存続の方向で検討されているということ。
同じように少子化で売上が下がっているということなら、廃刊も考えられるところだろう。でも、学研の人たちは、「科学」を大切にしているのだろうと思うし、「科学」こそ学研、と思っていてくれるのじゃないかな。そう期待している私はただの一消費者だけれど。
だって、今学研に勤めている人には、きっと「科学」が好きで、「科学」みたいな仕事がしたいから、って就職した人がたくさんいると思うのだ。
どうか、「科学」が残ってくれますように。輝きが若干鈍くなっても、あのわくわくは今も健在なのだから。