深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

プリキュア5シリーズが終わった

昨日、「Yes!プリキュア5GoGo」の最終回。
最終回自体は、まあ、後味の悪くない終わり方で、こんな感じかな、まとまったな、という印象だった。キュアローズガーデンを受け継いだことで、5人はずっと一緒にいることになり、ここを拠点にすることで、ココたちの世界と別れることもなくなり。
そこまでは言及されてはいないが、のぞみは正式にガーデンの後継者となったことで、将来ココのお嫁さんになる道が開けたともいえるね。
ブンビーさんも含めて、めでたしめでたし。うちの近所にあったら、早速掃除にきてもらいたいものです。


以下、ぶちぶち不満?を言う内容なので、「続きを読む」に。


最終回についてはそうなんだけど、GoGo全体通して見た感想については、最後までなんだかなぁ……という感じだった。
メインストーリーに求心力がなくて、各回行き当たりバッタリの話になっている感があった。キュアローズガーデンについてあれだけ初回から出しているのに、途中でその内容を小出しにすることもなく、せめて2ヶ月くらい前からでも情報の片鱗でも出してくれれば面白みもあるのに、名前だけで引っ張るには材料が足りなすぎた。だから、のぞみが「何がなんでも行くの!」と気張っても、いや、なんでそんなに気張ってるの?とピンとこない。無印では「(大好きな)ココとナッツの王国と国民を救う」という大義名分があったうえ、のぞみの「自分探し」も加わっていたから、その真剣さに見る側も納得するものはあった。しかし、今回はねぇ。
ミルキィローズに10回かけているんだから、ガーデンについても2ヶ月くらいかけてよかったんじゃないのかなあ、と思うのは素人判断か。
もう一つ、メインに沿うサブストーリーとして、シロップの正体の謎があったはずなんだけど、こちらはとうとう最終回まで明かされず。ガーデンにいてフローラに育てられた、というところまでは明らかなんだが、じゃあシロップって何者? ということには答えられていない。なぜフローラのところへ来たのか、それともフローラが生み出したものなのか。伏線を張ってはみたが、生かしきれなかった、というやつだろうか。そのくせ、メルポは実は……という、どうでもいいような設定が明かされている。シロップに関しては、もったいなすぎる。


さらに、見ていてどうも面白くない、と感じたのは、学園生活がほとんど描かれなくなっていたからだろう。後半からはメイン舞台がほとんどナッツハウスとその前の池になってしまい、戦闘にも面白みがない。前作では活躍していた増子さんや理事長の登場はすっかりなくなってしまった。
そのかわりに増えたな、と思ったのが、キノコ婆さんの昔話やパロディネタなんだが……この手の改変って、やりやすいんだけど、やはり埋め草にしかならない。こういうのって、メインストーリーの緊張感をときどきほどく回にあたるんだが、今回シリーズではメインストーリー自体の緊張感がないので、ただ、だらだらとした感じになる。


敵に関しても、どうもなぁ、前回よりは劣化だなぁ、と。
というより、これに関しては、前回が魅力的すぎたのかな。ブンビー以外の敵役たちも、それぞれに裏がありそれぞれの生活や思いがあり、というのを丁寧に描いていたので、あれが特別だったんだろう。
今回の造型は、敵役はさっさと使い捨てになっている。まあある意味典型的ではあるのだが。アナコンディの位置づけは、ちょっと幼稚園児向けには難しかったんじゃないかな、そして大人向けには物足りなすぎる。後半、アナコンディメインで2回くらいかけてもよかったんじゃないのかなあ。これも、すごくもったいない。


総合して思ったのは、盛り上がらないままずーっと話がだらだらと続き、いきなり最後の「あれ、もうあと4週で終わり?」というところで、がーっと話をまとめにかかり、強引にまとめました、という感じになってしまったのが、惜しいなぁということ。
これって、最初から年間予定として、こういう予定になっていたのだろうか。それとも、トレンディドラマのように、開始時点ではまだ話や設定が決まってなくて、あれこれつなぎをやってるうちに、回数が足りなくなったのか。
正直言って、5無印シリーズに比べて(比べちゃいかんのかもしれないけどやっぱり比べるよ)、パワー不足。なんか設定にのって適当に作っちゃいました、なんとかまとめたけど、まあこんなもんでいいでしょ、感まで出ちゃってる、ような気が私にはする。作ってる側はもちろんそうじゃないんだろうけど、そう思わせてしまうような作りだったんだな。
最終回だってさぁ、これで5シリーズ終了なら、もうちょっとさ、プリキュア5人の将来について、描いてもいいんじゃないの?と思うし。かれんとこまちは3年生だから、そろそろ高校受験の勉強、とかさ*1。うららもプルミエ王国なんぞで歌ってないで、1つオーディションでも受かればよかんべ。りんちゃん、部活の試合はないの? なんか、そういうところも含めて、学園生活というか、普段のリアル(プリキュアとしてでなく)の生活を描きたがらない気がしてならないんだよね。これは脚本家の趣味だろうか。それともディレクターの趣味か。うーん。

*1:まあ、たぶんサンクルミエールはいろいろな描写からして少なくとも中高はつながった一貫女子校だろうから、受験ないだろうけど。