深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

裸の王様は賢くなかったのかどうか

アンデルセン童話の「裸の王様」の話を思い出して、思った。
裸の王様は、「賢いひとにしか見えない服」を出されたとき、自分が「賢くない」ことがバレるといやなので見える振りをした。つまり、自分が「賢くない」判定に該当したことはこの時点で分かっているわけである。
しかし、よく考えてみると、自分と同程度、あるいはそれ以下の賢さの人間にはこの服は見えない、ということになる。ということは、この服を着てパレードをすることを想定すると、パレードを見る国民が自分(王)と比べて賢いかどうか、ということがポイントになる。国民が皆自分より十分賢ければ問題ないが、もし自分より愚かな者が多ければ、この服は国民には見えないわけで、結局恥をかく。
つまり、裸の王様は、自国民は自分より賢い者たちである、と判断したということになるのだった。
もしそういう判断ができていたのだとしたら、この王様、随分と謙虚で賢いってことじゃないだろうか。少なくとも自国民を衆愚と見なしてはいない。
もちろん、話としては、王様はそこまで考えているわけじゃないから、やはり賢くないのだろうけど。