深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

雄鶏社の自己破産

この週末、驚いたニュースは、やっぱりこれ。
新文化-出版業界紙-ニュースフラッシュ 雄鶏社、4月17日東京地裁に自己破産を申請
雄鶏社は女性向け実用書の出版社で、歴史もかなりあるので、冗談でなく、子どものころからお世話になった。というより、今は日本ヴォーグ社なども大手だけど、昔はあまりそういう印象じゃなくて、めぼしい手芸本買うとたいてい雄鶏社だったりして。特に若いころレース編みに一時期ハマっていたから、買う本買う本、雄鶏社だったりした。
出版社で選んで本を買うことはないけど、最近でも、あ、これいいな、欲しいなと思ってひょっと買った本が雄鶏社だったりということはままあり、本棚を見るとかなり雄鶏社の本があって、あれ、これも? こっちも? という感じ。先月も2冊ほど、迷った末に買ったばかり。
今思えば、買っておいてよかったなあ。まさか1ヶ月もたたずにこんなことになるとは思いもしなかった。


最初に噂を見たのは土曜の2chのハンドクラフト板で、「有名なハンクラ作家さんや出版関係者のブログで、雄鶏社倒産の話が出ている!」というもの。土曜なので経済関係ニュースは停止していて、ソースは出ない。しかし、話を出しているハンクラ作家さんたちも有名な人だし、公式のブログで書いていて、ガセをそうそう流すような人ではない。
どうも本当っぽいね……という雰囲気の中、上記のニュースが出て、確定した。


さらにこの話題には前哨戦がある。
同じくハンクラ板の刺繍スレにて、「はじめてのドロンワーク」という本の話題がすこし前に出ていた。ドロンワークの基礎的な本、ということで期待されていたのだが、雄鶏社の4月新刊に出ていたこの本が、なかなか書店に出ない。それどころか、他の4月の新刊もすべて、いつまでたっても書店に並ばないし、サイトの新着情報の更新も行われなくて、本の詳細や発売日の掲載も行われない。どうなってるんだろう、早く見てみたいのに……という話題の出る中、今回の倒産となった。
4月新刊の中には、本を作った方が自身のブログに表紙写真を掲載しているものもあって、もう刷り上がっていたのに、という状況で日の目を見ずに消えていく本もあったよう。残念だろうな。


今は、各書店から雄鶏社の本が消えていく話や、その前にほしかった本を買いにいかなくちゃ、ネット書店なら在庫返品しないから間に合うぞ、とりあえず書店に走るぞ、ってな話になっている。
もともと手芸本は絶版が早く、これだ、と思う本があったら一期一会と思え、というのが原則だけど、やはりお財布の中身とも相談しなくちゃだし、この作品はいいけど他のページはいらんな……という場合もあったりして、そうそう即決できるものでもない。


ニュースによれば自己破産ということで、倒産という話だけのときは、民事再生法会社更生法の申請だったらいいけど、と思っていた希望もくずれた。もう雄鶏社の新刊本を手にとることはないんだな。


【追記】(2009.4.22)
その後判明してきた話として、4月新刊10冊のうち、2冊は発行済みで書店にも並んだ実績があることがわかったが、他の8冊はどうも出版されないままお蔵入りになったもよう。

【追記2】(2009.4.23)
さらにその後、他にも出荷されてなんとか店頭に並んだ4月新刊があることがわかってきた。上記で話題になっていた「はじめてのドロンワーク」も、店数は少ないながら、店頭に並んだケースもあるもよう。でも、結局出荷に至らなかったと思われる本もやはりいくつかあるもよう。