深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

PTAと男と女

昨日書いた素朴な疑問だが - 深く考えないで捨てるように書くに対して、b:id:rajendraさんからこんなブックマークコメントをいただきました。

[PTA]PTAは女性主体の組織という社会通念に対するカウンターかねえ。会長職は対外折衝的な仕事も多そうだし。

はてなブックマーク - rajendraのブックマーク / 2008年5月1日

たしかに、会長職は対外折衝というか、外での渉外活動が多いのです。というよりそれが主な仕事。具体的には、各地域のPTA連絡協議会というものに出席したりします。PTA同士だけでなく、地域の自治会などとも連携をとっている場合も。他、内部的には、行事(入学式・卒業式や運動会など)の来賓席に顔を出すこと。
だからこそ、不思議でもあるんですね。そういうところに顔を出すために、わざわざ外から会長を引っ張ってくる、というのが。会社で言えば、社長を社内からでなく外から、しかも仕事に詳しいわけでもなく、社内改革のためでもなく、乗り気でもない誰かを引っ張ってくるようなものじゃないのか? という気がしてしまいます。


以下は、rajendraさん宛てではなく、上記にからんで前の記事に追記ですが。


PTAの役職に「母代」(母親代表)というのがあります。ざっと検索してみたところ、この名称で呼ばれる役職は、学校によって、副会長であったり、副会長を含む複数の幹部役員であったり、いろいろあるようです。
この名称を聞いたときに私はけっこう興味深く感じました。というのも、「母親代表」とわざわざ銘打つにはそれなりの理由というか、歴史的背景があるのだろう、と思ったからです。
解釈はいろいろできます。例えば、「母代」が副会長ならば、女性は会長なんて頂点に立ってはいけない、最高で副会長までですよ、というメッセージがちらりと見えます。あるいは、逆に、子育てに深く関与する母親たちの代表として、副会長の職の1つは女性専用に空けておいてください、そうでないと男性ばっかりになっちゃうから……という事情だったのか。「保護者代表」でなく「母親代表」としておかないと、そりゃ「保護者代表」は男に決まってる、女が代表なんかなるもんじゃない、という時代のメッセージを裏読みすることもできる。女は家(学校)の中で家事(学校内の雑事・仕事)だけしていりゃいい、外で目立つことは男がやるもんだ、という価値観ともとれる。
なんにせよ、「母代」という名称には、いろいろな時代性や裏の事情、もっとはっきり言ってしまえば、PTA組織の古くささが見える気がするのです。そして、おそらく、女性会長のいるPTA組織には、「母代」という言葉は存在しないでしょう。意味をなさないですから。


「PTA活動は女性がするもの」という社会通念に対して、「男親も参加しよう!」という動きが最近はだんだんと各地で出てきているようです。いわゆる「おやじの力」的なものです。
そういうことを考えても「母代」という言葉はあまりに古くさい、アナクロ、時代に合っていないと思うのです。だって「母親代表」である以上、「父親の意見の代弁者」ではないことになりますから。(男性会長はあくまで全体の会長であって、父親の代弁者ではなく、保護者全体の代表です。)子育ては母親だけでやっていればいい、的な時代の産物でもあります。子育てにたくさん関わってくれる現在のお父さんたちにとっても失礼千万、と思うのだけど。
これはPTA役員になって初めて知って、なんともがっくりした話の一つでありました。