中くらいの声でしゃべる
ちょっと前に書いたこの記事。
ネガティブコメントってこんな感じ? - 深く考えないで捨てるように書く
たくさんの反応をいただいた。どこにそんなに反応があるんだよ、と思われる方はこちらをご覧ください。
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ご意見の中によく見られたのは、記事の前半に書いたような立場、つまりネガティブコメントをもらっていきなり驚いてしまう立場の人に対して、「でも誰にでも聞こえるような大声でしゃべってるわけで」という内容だった。拡声器で叫んでる、パブリッシュしている、などの表現を使われた方もいる。
これについては私も同意見だ。ネットに書いた時点で、例え独り言のつもりであっても、ネットの果てまで明瞭に聞こえるような大声となる。
そこで思ったのだが、中くらいの声でしゃべりたい、というニーズに対して、ネットは何を提供できるだろう。あるいは、ネットにはそんな場所はあり得ないのだろうか。
ネットに対して、自分の意見を広く述べて多くの人に聞いてもらいたい、というニーズが存在する。これにはネットは向いているし、これを実現させるためのサービスも多く存在する。
一方、ネットを利用しながら、知っている仲間、身内とだけ交流したい、というニーズもある。これに対応できるサービスも多数ある。SNS、メーリングリスト、クローズドの掲示板など、選択肢は多い。
さて、これらに対して、中間のニーズも存在する。仲間だけではなくもうちょっと広い範囲で交流をもちたい、新しい出会いもしたいけど、大きくかけ離れた立場の人とは接したくない。いわば、中くらいの声でしゃべりたい、拡声器やマイクは使わないけど手をメガホンにして「誰かいませんかー」と数メートル先まで届くくらいの声で呼びかけたい、という層だ。
こういう思いは、リアルの生活ではさほど珍しいものではないし、実現も困難ではない。むしろ、広く意見を述べるよりも実現しやすいかもしれない。
しかし、これは虫の良い願いだとして、現状のネットではばっさりと切り捨てられている部分である。
この現状が良いか悪いか、というものではない。単にネットの特徴、特色ということだろう。
なんらかのシステムやサービスによって、こういった中間的なニーズに対応できる可能性はあるのかもしれない。しかし、本来SNSはそういったニーズに対して提供されたものではないかと思うが、拡大するにつれ広いニーズと狭いニーズの両極端に分かれてしまって、中間的な部分がなくなってきたように思う。
いや、どこかにはあるような気もする。あるんだけど、そことあまり関係ない人間にはそもそも見えないから、気がつかないだけで。
だいたい、はてなには巨大拡声器がついているけど、他のブログサービスはそれほどでもないと思うし。