ナイフで刺す
Aさんがナイフを持って、Bさんに刃を向けて、刺した。
Aさんがナイフを持って、よそへ向けていたら、Bさんが自分から飛び込んできて、刺さった。
Aさんが立っていたら、Bさんがナイフを自分自身に向けて持ったまま飛び込んできて、ぶつかった時にBさんに刃が刺さった。
Aさんが立っていたら、いきなりBさんがナイフの柄をAさんに持たせて、Aさんが離す前に自分から刃に身を投げて刺した。
どれも、刃が刺さって実際に怪我をするのは、Bさん。
刺したのはAさんだったり、Aさんではなかったり。しかし、すこし遠くから見ていると、どれもAさんが刺したように見える*1。ケースによっては、Aさん自身、自分が刺したのではないのに、自分が刺したと思い込んでいるかもしれない。
ナイフが刺さって怪我をした人間は端から見てもよく分かるが、刺した人間か誰かは、往々にして判断が難しい。
*1:3番目のケースは、見る角度や距離によって、Aさんが刺したのではないことがわかるかもしれない。しかし、実際に何が起こったか瞬時に正確に判断できる人はおそらく少ないだろう。