深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

もっともらしいこと


学者や評論家はかならずしも正しいことを言っているとは限らない、彼らの仕事は正しいことを言うことではなく、もっともらしいことを言うことである、ということは、もう何年も前に中島みゆきが言っている。*1


逆に言えば、正しいことを言っていても、それでご飯が食べられるわけでもない。(正しいこと、というものが存在するならば、の話だが。)
ましてや、もし正しいことを知っていても、それを伝えもせず検証もしないならば、何も与えられることはない。
もっともらしいことを言う、というのは、需要もあるし、もっともらしいことを聞いて救われる人もいる。
ひとが聞きたいのは、正しいことではなくて、もっともらしいことだから。


だってほら、中島みゆきが唄っていることだって、所詮はもっともらしいことだ。
そんなみゆきのもっともらしさが私は好きだから聴くのだけれど。

*1:彼女がこの文言の通りに述べているわけではない。「世情」「時刻表」などの歌詞から読み取れることがそうである、ということだ。彼女はここに「カウンセラー」を含めているが、この「カウンセラー」は現代で言えばメンタルヘルスに関する精神医学的・心理学的な職業としてのカウンセラーを指すのではなく、占い師やある種のコンサルタント業、今で言うスピリチュアルなんとやらなどを示すものであると思われる。