深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

娘にある言葉を教えた話

先日、衝撃的なことが判明した。
6歳の娘は、「きんたま」という言葉を知らなかった。
気がついたきっかけは、ポケモンだ。ゲームのポケモンには「きんのたま」というアイテムが出てくる。言葉通りのもので、店に売ると高く売れるよ、というただそれだけのアイテムだ。
私はスレた大人なので、別に金の円盤とか宝石とかでもなんでもいいのに、なんでよりによってきんのたまなんだろう、と思ってしまうわけだが、娘はいっかな気にすることもなく、きんのたまきんのたまと口にする。女の子がそんな言葉を大声で連呼するもんじゃないよ、とこれまたスレたお母さんは思うのだが、はっ、もしかして娘はそれは女の子が大声で連呼すべきではないニュアンスの言葉だ、ということに気がついてないのではないか、と、これは私のほうが気がついたのだった。
そこで私は機会をみつけて「ねーねー、娘、あんた『きんたま』ってなんだか知ってる?」と聞いてみた。案の定「うーん、しらない」との答えだった。
とりあえず、どういう場所にあるどういうものか説明したのだが、どうも娘にはピンとこないらしい。へっ、そんなものがあるの? という反応だ。
そりゃまあ、そうか。自分にはないわけだし。でも、パパとお風呂にはよく入るし、幼稚園でのプールの着替えは、別にまだ男女別ではないはずだ。見かける機会はあるはずだが、まあマジマジとあっちこっちから観察することはないのか。表から見るだけでは前にあるものと一塊になって見えるのでよく分からないもんなあ。
そりあえずそこは、「まあそういうものがあるのよ」とだけ言って、終わりにした。観察指導するには10年、いや20年くらい早い。


あとから考えれば、女の子はそんな言葉わざわざ教えなくてよかったかもしれないなあ。きっとお嬢様といわれるお嬢様たちはそんな言葉は知らないに違いない。
いや、でも、知らないからといって、小学校にあがってから男子に「おい、『きんたま』って言ってみろ」とか言われて平気で大声で叫んじゃったり、あるいは知らずに「ねぇねぇ、きんたまってなにー? なにー?」と周りに聞きまくって恥ずかしい思いをしたりして、6年間話のネタになっちゃったりするよりはいいかな。心配性な私。
自分はといえば、入学の時はもう知っていたような気がする。保育園育ちで、男の子がそういう言葉もばんばん言ってたんだと思う。そうやって考えてみると、いまどきの男の子はそういう言葉はあまり面白がって言わないのか。それとも娘の幼稚園は厳しいので最初からそんなことを言うような男の子があまりいないのか。
いずれにしろ、教えても教えなくても困ることがありそうな。こういう言葉を教えるのは悩ましい。