深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

プリキュア5が存外に面白い件

Yes! プリキュア5」が始まって1ヶ月以上たったが、これが存外に面白い。
とりあえず、対象年齢である幼園女児には明らかに受けが良い(局地的な判断だが)。「ふたりはプリキュア SplashStar」の時はテレビをつけてあってもあまり見ていなかったし*1、グッズやおもちゃも欲しがらなかった。何より、キャラ名を最後まで覚えなかった。そのくらい興味を引かれなかったらしい。
それが、「プリキュア5」になって3回くらいの間に、キャラ名(本名もプリキュアの名前も)は覚えるは、幼稚園でプリキュアごっこをするようになるは、「髪の毛が伸びたらのぞみみたいな髪型にしてね!」などと言い出すは。いきなりびんびんに惹かれている模様。
ちなみに、幼稚園でのプリキュアごっこは、同じ組の女の子がやりだして、娘が敵役にされて追いかけ回されるんだそうだ。本人はそんなふうなのであまりやりたくないらしい。*2まあ、これまで幼稚園でプリキュアごっこをした、という話は全然聞かなかったのにプリキュア5の放送開始後急にそう聞くようになったので、娘以外の幼園女児にも受けてるのかなー、と感じた次第。


子どもらの反応はそんなふうだが、親のほうもなぜか真剣に見てしまっている。
とりあえず、ここまでのところ、キャラが立っている。しっかり書き分けている。
ただ書き分けているだけでなく、プリキュアがみんな中学生女子としては「ああー、あるある!」という感じなのである。
特別やりたいこともなく、自分に自慢できるところもなく、ただなんとなく、日々をぼーっと過ごす、のぞみ。
親友を守っているつもりでいて、実は親友の存在に自分を支えられている、りん。
打ち込めるものはあるけれど、そのことに真面目になりすぎて、日常の何気ない楽しみや"普通"のことにうまく馴染めない、うらら。(ここでは芸能界だが、習い事や塾通いなどで同様の境遇にある子はけっこういるだろう)
小説を書くという夢はあるけれど、周囲からの評価や挫折を恐れて、それをなかったことのように押し込めようとする、こまち。(小説だけでなく、漫画などで同様の経験をした人もあるかも)
頼れる優等生という表の顔を維持するために、自分がしたいことではなく、他者から期待されることを行うのを優先し、自分を演ずる、かれん。
どれもこれも、「ああー、あるある!」なのである。


ひな型として参照したと思われる「セーラームーン」シリーズとの大きな違いを、ここに見る。セーラームーンでは、5人のセーラー戦士は戦士としての顔がメインで、中学生としての表現はかなり小さかった。5人の通う学校が全員同じではなかったことからもそれがうかがえる。
一方、プリキュア5では、これまでのプリキュアシリーズの例から考えても、おそらく学園生活がかなり重要に描かれると思われる。5人のプリキュアとしての関わりよりも、5人の女の子としての関わりが十分に描かれることが期待される。


加えて、それを目指すために効果的に使われているのが、女子校という設定である。
今までのところ、セーラームーンや過去のプリキュアシリーズに見られたような恋愛要素(淡いものも含む)が入り込む部分が、見当たらない。
セーラームーンのメインストーリーには「宿命の恋愛」という大前提があった。
プリキュアシリーズの場合、基本的に女の子同士の絆を描くことがメインなので、恋愛要素はかなり薄くしてあるのだが、それでも主人公たちが異性に思いを寄せる描写は各所にあるし、そういうのがメインになっている回もある。
それに対し、プリキュア5では、状況設定から男子が徹底的に排除されている。これまでのところ、出てきた男性は、敵役を除けば、かれん邸の爺やなどごく脇役のみ。学校のシーンですら、出てきたのはココの変化した先生だけ。過去のプリキュアではしばしば登場した主人公たちの家族(父や兄弟)ですら登場していない。
少なくとも、ここまでのところ、徹底して男性を排除したつくりにしよう、という意図が見られる。
どうやら、プリキュア5のもうひとつの源は、「マリア様がみてる」のような百合ものであるらしい。そういう感じを受ける。


前に、プリキュアセーラームーンになった、とか言ってしまって申し訳なかった。
これは間違いなくプリキュアだわ。プリキュアの精神受け継いでるわ。
でもって、今のところセーラームーンより面白いわ(私にとっては)。
でもって、SplashStarより格段に面白いわ(私にとっては)。


なんてことを考えながら毎週見ているので、大層面白いのだった。

*1:ちなみに初代プリキュアの時はまだ幼なすぎたが、MaxHeartあたりはかなり真剣に見ていて、グッズや服も欲しがった。

*2:本人が好きなのは、ポケモンごっこである。隣の席の男の子と日々ポケモン話に花を咲かせている模様。