深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

小学校の英語必修化は結局できないような

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200609270399.html

もう、ちょっと前の話になってしまったが、新文部科学相は小学校での英語必修化に否定的である、という話。

私自身は、小学校での英語必修化は反対の立場。
ただ、それは、

美しい日本語ができないのに、外国の言葉をやったってダメ

(上記ニュースより引用)


という理由ではない。
幼いころに英語を学ぶこと自体は別に悪くない。日本語以外の言語・国があるということに親しむとか、外国語の発音に耳を慣らすとか、確かにメリットもあると思う。
問題は「必修化」というところだ。


事実上、現在の小学校で時間を割いてできる英語の授業は、そのコマ数や教師・講師を考えると、街の就学前の幼児向け英会話教室のレベルを越えるものではありえない。
せいぜい、アルファベットの1つずつの読み方を教え、あとは簡単な英語の歌を歌ったり、「りんごはapple」「おはようはGood morning」程度の単語を覚えたり、"How are you?""I'm fine,thank you."程度の英会話をしたり、そんなものであろう。
コマ数がたっぷり余っているのだったら、これでも問題ない。
しかし、現実には、ゆとり教育だの週休2日制だので、ただでさえコマ数がかつかつになっているわけだ。
そんな中で、さらに英語にコマを割く余裕があるのだろうか。
英語にコマを割けば、そのぶん割りを食う教科が必ず出てくる。現状で、この教科は余ってるから削ってもいいですよ、などという教科があるのか。


主要4教科は、今の時間数でも十分についていけていない子どもらが多数いるのがわかっているから、削れないだろう。
あとは、その他の、図工、体育、音楽、家庭科など、総合的なんとやらというのもあったかな? そのあたりを削ることになるのだろうか。もともとそうコマ数が多くないところからさらに削ると、週に1度も授業がない教科がでてきそうだ。まともに削れそうなのは体育くらいだが、それはそれで猛反対にあいそうだし。


もし英語を必修化するなら、少なくとも、コマ数を週休2日制になる前と同等くらいに戻さなければならないと思う。
かといって、土曜午前の授業を復活させろとは思わない。自分の子どものころから、なんで土曜は休みじゃないんだろう? と思っていた。お父さんは休みなのに、自分らは休みじゃないから、気軽に家族で遠くまで遊びにいくこともできなかった。そもそも午前だけ、というのが中途半端でいやだった。
あの時代よりもさらに官公庁などを含め土曜休日が一般的になった*1現在では、いまさら土曜に授業……という感がある。
コマを戻すなら平日を1日7時間とするほうがスムーズかな、と個人的には考える。ここは異論も多数あるだろうが。


とりあえず、現状のまま英語必修化はさまざまな面で無理があると思う。
美しい日本語云々、という意見はあまりに曖昧で意味がないと思うが、この流れで英語必修化が見直されるなら、それはそれで個人的には歓迎するだろう。

*1:同時にサービス業などで土日以外休が増えたのももちろん承知しているが。