深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

クレしんはドラえもんになるのか

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「のはらしんのすけ儀塾大学」なるサイトが突如オープン。
もしも娘ではなく息子が生まれたら「しんのすけ」と名付ける予定だった私が見逃すはずもない。
まあ、ざっと見ると「なんぞやこれwwwネタwwww」と思うんだけど、微妙に単なるネタで終わってないところもある。
例えば、この学部/学科紹介のページで、汐見稔幸先生の名前が監修として出ていること。この方は育児関係の本をたくさん書いている有名な先生でもあり、わざわざこういう人を引っ張ってくるあたり、ただの一時的なネタサイトのつもりではないような気がするが……
と思ったらですね、こんな本が既に出版されていたりするんですね。

子育てにとても大切な27のヒント―クレヨンしんちゃん親子学

子育てにとても大切な27のヒント―クレヨンしんちゃん親子学

方向性として、もともとはハチャメチャな大人向け劇画の暴れん坊キャラであったクレヨンしんちゃんが、育児や教育のネタキャラとして使われつつある流れが見られます。
上記のページに書いてある内容からの予測ですが、このサイトは、汐見先生のコラムを売りに、クレしんの子ども向けミニゲーム(特に教育系・英語系ゲーム)やネット教育関係の記事を掲載していき、それによりキャラのイメージを教育系路線に変更させ、場合によってはクレしんキャラを使ったリアル教育教材(ドリルや知育おもちゃなど)の発売も考慮しているのかもしれません。
PTAに嫌われているクレしんで? と思われるでしょうが、それゆえにキャラのイメージの更新を企てているという可能性もあります。


こういう流れで思い出すのが、ドラえもん
もともとのマンガの「ドラえもん」では、のび太は徹底的にぐうたらでどうしようもなく、弱虫で覇気がなく向上心のない、他者依存の怠け者、という設定でした。ジャイアンはこれまた徹底的にいじめっ子で乱暴者、スネ夫は腰巾着でイヤミな金持ち。
しかし、アニメになり、映画になり、彼らはちょっとずつ「良い子」になっていきます。それぞれの欠点はキャラの性格として残しつつ、でもこんな良いところもあるんだよ、というアピールがなされます。原作にない話ではさらにそういう傾向が強まります。
その背景には、彼らが教育系キャラとしても使われていることがあるのではないか、と私は思っています。小学館グループが経営している幼児教室「ドラキッズ」は全国に多数の教室を開いており、早期幼児教育教室としては今や一大勢力です。主にショッピングセンターなどに教室を構え、ドラえもんキャラの親しみやすさとロケーションの良さ*1で人気があります。
また、同じく小学館グループのやっている通信添削「ドラゼミ」も、内容の良さと監修者の人気*2で一定の支持を得ています。通信添削では、知名度のあるキャラが出ているというのが支持のポイントになる場合があります。ようするに、子どもが「ドラえもんが出ているからこれやりたい」とか、問題の中でキャラの名が出てくる*3と食いつきがいいとか、そういうのがあるわけです。
で、逆に言えば、そのような教育サービスのイメージキャラになっているキャラがお行儀が悪かったり勉強に対して大変消極的だったりするのはやはりイメージとして良くないので、ドラゼミの教材内に出てくるのび太は、「こんな自分から勉強するようなのはのび太じゃないやい」「のび太のくせに計算できるのかよ」とジャイアンじゃないけど言いたくなっちゃうような状況になっております。
まあ、そんなこともあって、アニメのキャラたちにも影響が出ているのではないだろうか、という気もしているのです。


話が長くなりましたが、クレしんの話に戻って。
で、今回の「しんのすけ大学」ですが、こういうのが出てきたということは、今後クレヨンしんちゃん(アニメ)のキャラの性格がおとなしく良い子のほうへ変わっていく可能性が高まったのかなぁ、と思ったりします。もちろん、ケツ出しやお姉さんスキーなどの特徴はかわらないでしょうが、時々出てくるような、母親や妹への思いやり話などがクローズアップされ、極端な下ネタなどは、これまでも減ってましたが、この先さらに減少する方向にいくんじゃ……と、そんな気がしたりするのです。

*1:ショッピングセンターは駐車場が豊富で、行ったついでに買い物もでき、トイレも綺麗で使いやすく、おむつ替えも楽で、小さな子用の子どもの遊び場もあるところが多いのです。入園前の幼児を連れて行くには大変ありがたい場所です。

*2:百マス計算の陰山英男先生など。

*3:例えば算数の問題で「おまんじゅうが6こありました。のびたくんがおまんじゅうを3つたべました。のこりはなんこでしょう」といった類です。