深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

眼鏡っ子は増えている?

娘が小学校に入学して、ざっと新1年生を眺めて思ったことの一つが、意外と眼鏡をかけている子が多いな、ということ。
自分の子が眼鏡っ子であることもあって、同じくらいの年齢の子が集団でいると、眼鏡をかけている子にどうしても目がいく。
実は、幼稚園のときも、意外と眼鏡をかけている子はいるんだな、という印象があった。幼稚園は1学年が100名前後(けっこう大規模)。そのうち、うちの娘を含めて、数名の眼鏡っ子がいた。
入学してみると、1学年が120名弱となったが、その中でもやはり何人かの眼鏡っ子がいる。割合的には数%で、やはり幼稚園のときとそうかわらない。
別に多くないといえば多くないのだが、自分が小学校低学年のときのことを思い出してみると、眼鏡っ子は増えている気がする。当時は子どもの多い時代で、1学年は240名くらいだった。仮にその3%としてみても、7名の眼鏡っ子がいる計算になるが、そんなにいた記憶はない。あの時代は、小学校低学年で眼鏡をかけていたら、からかいの対象になるほど、眼鏡をかけていた子どもは少なかった*1。学年に何人もいなかった*2のび太が眼鏡をかけた子として描かれているのは、それなりに理由があるのだ、たぶん。


じゃあ、昔に比べて視力の悪い子が増えたのか? ということになるが、決してそうではないと私は思う。
眼鏡っ子を見ていて気がついたが、大部分は遠視用眼鏡を着用している。
幼児期の遠視はほとんどが先天的な理由だ。特別、40年前と比べて先天性の遠視が増える理由は聞いたことがない。
とすると、考えられるのは、幼児期の早いうちに視力障害が発見される例が増えたのではないか、ということだ。
現在、自治体の行う3歳児健診に簡易的な視力・聴力検査が含まれている。指示通りに親が行うものなので、正確な結果が出るとは限らないが、これによって視力・聴力障害について疑い例を拾い上げたり、親に知識と興味をもたせることができる。
この3歳児健診での視力検査がいつごろから行われていたか、正確にネット上から探し出すことはできなかったが、ネットで見ることができた愛知県大口町の資料によると、平成3年度から3歳児健診の視力検査を導入したとある。まだ20年にもならない。
そして、遠視が発見された場合、できるだけ早期から矯正、つまり眼鏡などをかけることが推奨されている。これは、視力の発達は6歳ごろまでが最もよく、この時期に網膜にピントをあわせることができないと、視覚を司る脳の発達がよくなされず、あとから視力を矯正しても一生視力が弱いままになってしまう、いわゆる弱視になってしまうからだ。昔は就学時健診で発見されていたものが、この知見から、3歳児健診で積極的に視力障害を発見するようになり、未就学児の眼鏡率が増えたものではないか、とこう考えるのである。


さて、これで、幼稚園・保育園などの未就学児での眼鏡っ子率の上昇については説明できた。
しかし、小学校の場合は、どうなのだろう。
昔でも就学時健診は行われていて、もちろん視力も検査されていた。視力が悪ければ眼科受診をすすめられ、治療なりなんなりが行われたはずだろう。
このへんは、正直、調べが足りずよくわからない。30〜40年前は今ほど知見が進んでいなくて、矯正視力が出なければ即弱視と診断され、場合によっては一般学級ではないところで学習するように手配されていたのか。あるいは、眼鏡を使わないで治療する方法などがとられていたのか。このへんは宿題だ。
が、とりあえず、現状において、幼稚園における眼鏡っ子率と小学校入学時における眼鏡っ子率に大差がない、ということは、3歳児健診での視力検査の貢献は大きい、と言ってもいいのではないか、とは思う。一般論として、就学時健診で見つかるよりは、3歳児健診で見つかったほうが、視力の改善はよりよく望めるのだそうだ。


結論としては、眼鏡っ子かわいいよ眼鏡っ子

*1:もちろん、学年があがれば近視なども増えるので、徐々に増える。

*2:なんでそんなことを覚えているかというと、自分が5年生くらいから近視になり、仮性近視として治療の後、眼鏡をかけることになったからだ。その当時、「他に眼鏡かけてる子なんていないし……ちょっとカッコイイじゃん! もう仮性近視の治療なんていいから早く眼鏡かけたいよ」と思ったのだった。おこちゃまだなあ>当時の自分。