深く考えないで捨てるように書く、また

もう一度、自分自身と、自分の中の言葉と生で向き合う

吹奏楽男子や合唱男子は本当にモテるか

面白い記事が匿名ダイアリーにあった。
非モテ男子予備軍の君へ
要約すると、吹奏楽やると意外と彼女ができるもんだよ! ポイントは「女子と男子の比率とその土壌」(リンク先記事より)だよ! という話。思わず「あるある、かも!」と手を叩いてしまった。
私は大学時代、大学の合唱団サークルに所属していた。ここで見た様子が、まさにそんな感じ。非モテが云々、というのはよくわからないが、団内カップルというのは比率的に多かった。団内同士ではないけれど、交流のある他団の人と交際している、という人もいて、交際している相手がいるが合唱とは全く関係ない、という人は正直言って少なかった*1


吹奏楽に限らず、合唱や他の楽器(室内楽など)の音楽アンサンブル系の部活・サークルでは、男子がもてやすいかどうかはともかく、男子と女子の間の障壁は低くなるな、というのは実感として思う。その理由を考えると、おそらくこんなふう。

  1. 音楽をやる女子は、音楽が好きだし、上手くなりたいとも思っている。だから自然に、音楽をやれる人に対する評価は高くなる。彼女らにとって、「楽器が演奏できる人」「(自分の好きなジャンルの)歌が歌える人」というのは、それだけで評価がプラスされる。音楽系女子には、目より耳が鋭い人もけっこういて、容貌は平凡以下でも声がいい・演奏がいいと5割増し7割増し場合によっては10割増し、というタイプの人も少なからずいる*2
  2. 大学あたりはそうでもないが、中学・高校では、このジャンルの音楽をやりたいと思う、やってくれる男子は希少。しかし、音楽活動をするうえで、男子の存在は非常に重要。特に混声合唱では、中高男子で合唱団に入ってくれる人は、場合によっては神様のように見え、忌避される理由はない。
  3. 音楽においては、男女は基本的に対等である。性別による差はなく、同等の立場で活動できる。そのぶん「男/女だから云々」という意識は少なくなり、障壁が下がる。
  4. アンサンブルの場合、一つの曲の演奏を皆で完成させる、という共通の目的に向かって全員が協力しあう、という構造が必須である。必然的に協力しあう関係は、互いの心理的距離感を短くする。スポーツ系部活・サークルでいう「部員が一丸となって」的な状況だ。それが男女対等に分け隔てなく行われる。
  5. スポーツ系と異なり、レギュラーと補欠、という構造もない。上手い下手はある程度あっても、全員が演奏に参加する。だからレギュラーがもてる、補欠はもてない、という構造もない。
  6. 合奏・合唱をしたとき、いい演奏ができたり、気持ちのいいハーモニーができたりすると、えもいわれぬ快感を感じる。これは体験しないと分からないかもしれない。一緒に協力してすごい快感を味わった相手に対しては、好感度があがる。いい演奏をするにはこれを練習のときから繰り返すわけだから、そういう刷り込みも起こるわけで。


男子と女子の間の見えない壁が低くなれば、お互いおつきあいしたい、と思うところまでの障壁も当然低くなる。よって団内カップルが次々できる、というからくり。
もちろん、みんながみんな仲良しというわけではなく、団内に派閥があったり、仲良しグループがあったりはする。しかし、そういうことがあっても、実際の演奏の時にはそういうのはおいといて、一緒に頑張る。それでいい演奏ができると、その瞬間は、誰それはいやな奴だよね、みたいなのはどこかに消えている。アンサンブルの快感を味わいたいと思うと、自然にそういう志向になってしまう。


これらのアンサンブル系サークル・部活でも、オーケストラ・室内楽はやはりちょっと敷居が高い。弦楽ならやはり小さいころから習っている人と一緒にやらなくちゃならないことが多いので全く素人からだとつらくなりがちだし、管系をやるのでも、クラシックの知識がまったくなしではついていくのは難しいと思う。
それにくらべると、吹奏楽は敷居が低い。吹奏楽に使う楽器を幼少時から習っている、という人はバイオリンなどにくらべると少ないし、管系は最初からある程度楽典を知っていて楽譜を読めたほうが楽だろうが、打楽器系なら学校で習った音楽の授業レベルでもいけると思う。合唱ならさらに敷居が低い。
モテるかどうかはともかくとして、いい体験にはなると思う。その結果、たまたま彼女ができるんなら、それはそれでいいかもしれないし。

*1:自分はその少ないうちの一人だったのだが

*2:ゴスペラーズとか徳永英明などの女性ファンはこういうタイプじゃないかと思う偏見。ちなみに私もこのタイプです。